ショートコント:おばあちゃんの昔話
(2025/09/05作)
犬猿キジ 「桃太郎さん、桃太郎さん。お腰につけた黍団子、一つ私に下さいな」
桃太郎 「あげましょうあげましょう。これから鬼の征伐についてくるならあげましょう」
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(中略)
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鬼 「ぐはははは。よく来たな人間ども! 折角だ、貴様らの名を聞いておこう!」
桃太郎 「いいだろう。よく聞け。俺の名は、桃から生まれた桃太郎だ!
そしてこちらは、四丁目で駄菓子屋を営んでいる"犬猿キジ"さん(80)だ!」
犬猿キジ(80)「こんにちは、よろしくねぇ」
鬼 「なんでそんな人を連れてきた」
カメ(78) 「助けてくれてありがとうねぇ」
浦島太郎 「おばあさんが子供たちに虐められているのを見た時はびっくりしましたよ」
カメ(78) 「お礼に竜宮城へご招待しますよ」
浦島太郎 「これはこれはご丁寧に」
カメ(78) 「では、私の背中に乗ってください」
浦島太郎 「いやいやいや! むしろ僕がおぶりますんで!」
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(中略)
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乙姫(68) 「いらっしゃいませ、ようこそお越しくださいました」
浦島太郎 (あっ、こっちもおばあさんなんだ…)
金太郎 「さぁ、オラと相撲で勝負だ!」
クマ(90) 「ごめんねぇ。今日は腰が痛くてねぇ」
金太郎 「あっ無理しないで。うん」
おつう(72) 「はい。私はあの時あなたに助けていただいた鶴です」
おじいさん 「なんと。あの時の鶴じゃったのか…」
おばあさん 「どうでもいいけど老人ばっかりですねこの家」
石作皇子 「姫がご所望された、仏の御石の鉢を持参いたしました!」
御石ハチ(88) 「こんにちは。寺で尼僧をやっとります。仏の御石ハチです」
車持皇子 「姫の仰っていた蓬莱の玉の枝、しかとこちらに」
蓬莱エダ(70) 「蓬莱タマの娘です。つまり蓬莱タマのエダです」
右大臣阿部御主人「火鼠の皮衣、ようやく探し当てましたぞ」
川呉ロモ(91) 「ふぉふぉふぉ。昔は"火鼠"の通り名で知られておりましてのう」
大納言大伴御行「こちらが龍の首の珠です。いやぁ苦労しました」
龍首タマ(63) 「おやおや、私と同じ名前の方の娘さんがいらっしゃいますねぇ」
中納言石上麻呂「燕の子安貝、お持ちいたしました!
燕コヤスガイ(99) 「ふがふが」
かぐや姫 「最後はさすがに無理ありすぎるでしょ名前」